峯村部材店主

南方紀伝――写本翻刻・校訂本文・現代語訳


『南方紀伝』は、後醍醐天皇の倒幕運動、南北朝の内乱、南北朝合一後の政治、室町幕府と鎌倉府の争い、さらに後南朝や享徳の乱に至るまでを記した編年史料です。

本サイトでは、国立公文書館所蔵の手書き写本4冊と明治期活字本を照合し、写本翻刻、校訂本文、情報を省略しない詳細現代語訳、流れが分かる現代語訳、写本と活字本の相違、判読保留箇所、復刻作業の記録を公開しています。

写本4冊と公開本文5巻について:今回確認した手書き写本は物理的に全4冊で、本文は応永34年(1427年)まで続きます。一方、明治期活字本の本文は全5巻構成で、長禄2年(1458年)まで続きます。

写本4冊と活字本5巻との関係は未解決です。巻五は活字本巻五相当部分――伝本・巻立て上の位置づけ未確定として掲載し、後世の付録・補遺・増補とは断定しません。

「菊池伝記総目録」は『南方紀伝』とは別の史料です。


全5巻を読む

『南方紀伝』の本文を、物語と年代の流れに沿って全5巻に整理しています。各巻は原則として1ページにまとめ、ページ内の目次から読みたい節へ移動できる構成です。

主本文には、原文の情報を可能な限り残した「詳細現代語訳」を掲載します。全体の流れを先に理解したい場合は、各節に併設する「流れが分かる現代語訳」を利用できます。

  1. 南方紀伝 巻一――元弘の乱から宗良親王の旅まで
  2. 南方紀伝 巻二――南帝系図から『新葉和歌集』まで
  3. 南方紀伝 巻三――明徳の乱から南北朝合一・義持将軍就任まで
  4. 南方紀伝 巻四――応永の乱から上杉禅秀の乱・応永の外寇まで
  5. 南方紀伝 巻五――義持の死から神璽奪還・赤松氏再興まで

全5巻の総目次を見る

このサイトで公開する内容

  • 原文の情報を可能な限り残した詳細現代語訳
  • 事件の流れを理解しやすくした現代語訳
  • 手書き写本の翻刻
  • 写本と活字本を照合した校訂本文
  • 明治期活字本の対応箇所と内容要旨
  • 写本と活字本の主要な相違
  • 人名・地名・官職・出来事の注記
  • 判読に自信のない文字と別の読み方
  • 復刻・校訂をどのように進めたかという作業記録
  • 伝本・巻立て・書誌上の問題

現代語訳の読み方

詳細現代語訳

日付、人名、官職、地名、災害、和歌、怪異、史料中の評価などを、可能な限り省略せず現代語にした本文です。『南方紀伝』の情報を詳しく読み取りたい方は、こちらを主本文としてお読みください。

流れが分かる現代語訳

基本用語から説明し、複雑な人物関係や事件の流れを追いやすくした現代語訳です。中学生でも理解できる表現を用いていますが、単なるあらすじではなく、重要な歴史情報をできるだけ残しています。

手書き写本と明治期活字本

今回判読した手書き写本は、物理的には全4冊で構成されています。一方、明治期活字本では本文が5巻に分けられ、手書き写本の終点より後の記事も収録されています。

手書き写本4冊と活字本5巻の関係、冊数と巻数の対応、底本や伝本の違いについては、まだ検討すべき問題が残っています。本サイトでは、活字本巻五を後世の付録・補遺・増補とは断定せず、「活字本巻五相当部分――伝本・巻立て上の位置づけ未確定」として扱います。「菊池伝記総目録」は『南方紀伝』とは別の史料です。

原文・史料を見る

物語を読むページとは別に、写本翻刻、校訂本文、明治期活字本の対応箇所を連続して確認できる史料ページを用意しています。

原文・史料の総合案内を見る

復刻・校訂の方針

手書き写本は、3ページ前後を一つの作業単位として判読しました。ただし、この分割は復刻作業を安全に進めるためのものであり、公開ページでは便宜上の節分けに用いますが、写本本来の章題・章区分とはみなしません。

各範囲について、前後ページとの文章の接続を確認し、明治期活字本の対応箇所を実際に照合しました。

判読できない文字は「□」、活字本や前後関係によって補った文字は〔 〕で示します。複数の読み方が考えられる場合は、一つに断定せず、別候補と判読確度を記録します。

復刻・校訂方法を詳しく見る

生成AIを使用した復刻作業について

本プロジェクトでは、写本画像の判読、明治期活字本との比較、校訂本文と現代語訳の作成、異同や判読保留事項の整理に生成AIを使用しました。

ただし、AIによる読みをそのまま確定本文とはしていません。写本画像、活字本、前後の記事、人物関係、年代を照合し、確定できない箇所は未確定のまま記録しています。

現在公開する内容は、第一次判読・第一次校訂の成果です。今後、別写本、同時代史料、人物系譜、寺社史料、地誌などとの照合によって修正する場合があります。

現在の進捗

  • 手書き写本全4冊・全134ページの第一次判読完了
  • 全44作業区分の写本翻刻・校訂・現代語訳完了
  • 明治期活字本巻五相当部分の第一次解読完了
  • 写本と活字本の異同・判読保留事項の台帳化完了
  • 巻末識語と伝本・巻立て問題の整理

利用上の注意

本サイトの翻刻・校訂・現代語訳は、研究者による校訂版の代わりとなる確定本文ではありません。

判読に自信のない箇所、写本と活字本で異なる箇所、年代や人物に疑問が残る箇所は、そのことが分かる形で表示します。

史料研究、論文、出版物などで引用する場合は、必ず原写本画像、明治期活字本、正式な研究文献もあわせて確認してください。


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