峯村部材店主

慣用句一覧360語|意味・読み方・例文

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社会人の学び直しや国語学習に役立つ慣用句360語を、五十音順にまとめています。字面だけでは意味を推測しにくい表現や、新聞・仕事・一般書・文学などで使われる表現を中心に収録しました。

「気が置けない」「琴線に触れる」「檄を飛ばす」「流れに棹さす」「手をこまねく」「やぶさかではない」など、意味を誤解されやすい慣用句についても、実際の使い方が分かるように意味と例文を掲載しています。

慣用句一覧

あ行の慣用句

語句読み方意味例文
愛想を尽かすあいそをつかす相手の言動に嫌気が差し、好意や信頼を失う。約束を何度も破る彼に、とうとう周囲も愛想を尽かした。
開いた口が塞がらないあいたくちがふさがらないあまりのひどさや意外さに、あきれて言葉が出ない。同じミスを隠すために資料まで改ざんしたと聞き、開いた口が塞がらなかった。
阿吽の呼吸あうんのこきゅう言葉にしなくても、互いの気持ちや動きを理解して息を合わせること。長年組んできた二人は、阿吽の呼吸で作業を進めた。
青田買いあおたがい将来性を見込んで、まだ十分に成長していない段階で先に確保すること。特に企業が学生を早くから採用すること。人材獲得競争が激しくなり、企業による学生の青田買いが早まっている。
胡坐をかくあぐらをかく有利な立場や過去の実績に安心し、努力を怠る。業界首位だからといって、その地位に胡坐をかいてはいられない。
揚げ足を取るあげあしをとる相手の言い間違いや小さな失敗を取り上げて、責めたりからかったりする。本題を議論せず、相手の言い間違いの揚げ足を取るばかりでは話が進まない。
足元を見るあしもとをみる相手の弱い立場や困っている事情につけ込む。他に選択肢がない客の足元を見て、高い価格を提示するのは感心しない。
足を洗うあしをあらう好ましくない仕事や生活、関係などをやめる。彼は賭け事から足を洗い、堅実な生活を始めた。
足を引っ張るあしをひっぱる他人の成功や物事の進行を妨げる。部署同士の対立が、プロジェクト全体の足を引っ張っている。
味を占めるあじをしめる一度うまくいったことに気をよくして、同じ利益や快感を再び得ようとする。最初の投資で利益が出た彼は味を占め、さらに大きな金額を投じた。
頭が上がらないあたまがあがらない恩や負い目などがあって、その人に対等な態度を取れない。苦しい時期に助けてもらった恩師には、今でも頭が上がらない。
呆気に取られるあっけにとられる意外な出来事に驚き、しばらく何もできなくなる。あまりに突然の辞任発表に、社員たちは呆気に取られた。
油を売るあぶらをうる仕事の途中で無駄話などをして時間を費やす。配達の途中で油を売っていないで、早く戻ってきなさい。
泡を食うあわをくう突然の出来事に驚き、ひどく慌てる。締め切りが今日だと気づき、彼は泡を食って資料を仕上げた。
暗礁に乗り上げるあんしょうにのりあげる予想外の障害にぶつかり、物事が進まなくなる。資金調達が難航し、新工場の建設計画は暗礁に乗り上げた。
言い得て妙いいえてみょう物事の特徴を、実にうまく言い表している。この町を「古さと新しさが同居する場所」と評したのは、言い得て妙だ。
怒り心頭に発するいかりしんとうにはっする激しく腹を立てる。度重なる虚偽報告を知った社長は、怒り心頭に発した。
生き馬の目を抜くいきうまのめをぬく他人を出し抜くほど素早く抜け目がない。また、そのような激しい競争の様子。生き馬の目を抜くような業界では、判断の遅れが致命傷になる。
息が長いいきがながい活動や人気などが長く続く。この商品は発売から三十年を超える息の長いヒット商品だ。
息を呑むいきをのむ驚きや緊張、美しさなどのため、一瞬呼吸を止めるほどになる。山頂から広がる景色の美しさに、思わず息を呑んだ。
異彩を放ついさいをはなつ周囲とは異なる特色を示し、ひときわ目立つ。若手ばかりの作品展で、彼女の重厚な絵が異彩を放っていた。
勇み足いさみあし勢い余って先走り、かえって失敗したり行き過ぎたりすること。確認前に受注を公表したのは、少し勇み足だった。
痛し痒しいたしかゆしどちらを選んでも都合の悪い点があり、判断に困る。値上げすれば客が減り、据え置けば利益が出ないので痛し痒しだ。
板に付くいたにつく経験を積んで、その役割や仕事ぶりが自然に身に付いて見える。入社当初は緊張していた彼も、今では営業担当がすっかり板に付いている。
一目置くいちもくおく相手の能力や実力を認め、敬意を払う。同業者も、彼女の技術力には一目置いている。
一翼を担ういちよくをになう全体の中で、重要な役割の一部を受け持つ。この研究成果は、次世代電池の実用化を支える一翼を担うと期待されている。
一矢を報いるいっしをむくいる優勢な相手に対して、わずかでも反撃して打撃を与える。大差で敗れたものの、最終回に一点を返して一矢を報いた。
一笑に付すいっしょうにふすまともに取り合う価値がないとして、笑って問題にしない。彼は根拠のない噂を一笑に付した。
一石を投じるいっせきをとうじる問題を提起し、議論や反響を引き起こす。その論文は、従来の研究方法に一石を投じた。
一線を画すいっせんをかくす他とはっきり区別する。同社の製品は、品質の面で安価な類似品とは一線を画している。
糸目を付けないいとめをつけない目的のために費用を惜しまない。研究設備の充実には糸目を付けないというのが、創業者の方針だった。
否が応でもいやがおうでも本人が望むかどうかに関係なく。いやでも。好むと好まざるとにかかわらず。制度が変われば、企業も否が応でも対応を迫られる。
引導を渡すいんどうをわたす最終的な宣告をして、相手にあきらめさせたり物事を終わらせたりする。改善の見込みがないと判断し、経営陣はその事業に引導を渡した。
浮き足立つうきあしだつ不安や興奮のために落ち着きを失う。突然のトラブルにも浮き足立たず、まず状況を確認することが大切だ。
うだつが上がらないうだつがあがらない地位や生活がなかなか向上せず、ぱっとしない。長年働いているのにうだつが上がらないと、彼は自嘲気味に話した。
現を抜かすうつつをぬかすあることに夢中になり、本来すべきことをおろそかにする。遊びに現を抜かして、試験勉強を忘れてはいけない。
腕が鳴るうでがなる自分の技量を発揮したくて、意欲が湧く。難しい修理だと聞いて、ベテラン技術者は腕が鳴ると言った。
鵜呑みにするうのみにする情報や意見を疑わず、そのまま信じる。インターネット上の情報を鵜呑みにせず、一次資料を確認した方がよい。
馬が合ううまがあう性格や気質が合い、気が合う。初対面だったが不思議と馬が合い、すぐに打ち解けた。
裏目に出るうらめにでる良い結果を期待してしたことが、反対に悪い結果を招く。売上を伸ばすための値下げ策が、かえってブランド価値を下げて裏目に出た。
英気を養うえいきをやしなう休養などによって、活動するための気力や元気を蓄える。連休は仕事を忘れてゆっくり休み、英気を養った。
得体が知れないえたいがしれない正体や性質がよく分からず、不気味に感じられる。差出人も目的も分からない得体の知れないメールが届いた。
襟を正すえりをただす気持ちを引き締め、態度や行いを改めて真剣になる。顧客からの厳しい指摘を受け、社員一同改めて襟を正した。
大台に乗るおおだいにのる数値が、一つの大きな区切りとなる水準に達する。年間売上高が初めて百億円の大台に乗った。
大鉈を振るうおおなたをふるう思い切って大規模な整理や改革を行う。新社長は赤字部門の整理に大鉈を振るった。
大風呂敷を広げるおおぶろしきをひろげる実現できるか分からないような、大げさな計画や話をする。世界一の企業になると大風呂敷を広げるだけでなく、具体策も示してほしい。
お株を奪うおかぶをうばうある人が得意としていることを、別の人がそれ以上にうまく行う。新人がベテランのお株を奪う見事なプレゼンを披露した。
お先棒を担ぐおさきぼうをかつぐ他人の企てに加わり、その手先となって行動する。多く悪い意味で使う。不正を計画した上司のお先棒を担いではならない。
お茶を濁すおちゃをにごすその場を取り繕うため、いい加減な言動で済ませる。詳しい事情を聞かれたが、彼は「検討中です」と答えてお茶を濁した。
お鉢が回るおはちがまわる順番や役目が自分のところに回ってくる。前任者が辞退したため、とうとう私に司会のお鉢が回ってきた。
思う壺おもうつぼ物事が、ある人の狙いや計画どおりになること。感情的に反論すれば、相手の思う壺だ。
折り紙付きおりがみつき品質や能力などが確かだと保証されていること。この職人の腕前は、業界でも折り紙付きだ。
恩に着せるおんにきせる自分がした親切や援助を強調し、相手にありがたく思わせようとする。少し手伝っただけなのに、それをいつまでも恩に着せるのはよくない。

か行の慣用句

語句読み方意味例文
顔が利くかおがきくその方面で信用や影響力があり、便宜を図ってもらえる。彼は地元の業界に顔が利くので、相談相手をすぐ紹介してくれた。
顔が広いかおがひろい知り合いが多く、人付き合いの範囲が広い。彼女は顔が広く、異業種にも多くの知人がいる。
顔に泥を塗るかおにどろをぬる相手の名誉や面目を傷つける。不正行為をすれば、推薦してくれた先生の顔に泥を塗ることになる。
陰で糸を引くかげでいとをひく表には出ず、裏から人を動かしたり物事を操ったりする。一連の妨害の陰で糸を引いていた人物が明らかになった。
笠に着るかさにきる権力や地位、他人の威勢などを頼りにして、威張る。親の権力を笠に着て横柄に振る舞うのはよくない。
風穴を開けるかざあなをあける固定化した状況や閉塞した状態を打ち破り、新しい変化を起こす。新規参入企業が、停滞していた業界に風穴を開けた。
風上にも置けないかざかみにもおけない同じ仲間として扱うこともできないほど、卑劣で許し難い。顧客をだますような業者は、商売人の風上にも置けない。
舵を取るかじをとる組織や物事の進む方向を決め、導く。新社長が経営再建の舵を取ることになった。
肩透かしを食うかたすかしをくう大きな反応や出来事を予想していたのに外れ、拍子抜けする。激しい反論を予想していたが、相手がすぐ同意したので肩透かしを食った。
固唾を呑むかたずをのむ緊張しながら、物事の成り行きをじっと見守る。観客は固唾を呑んで最後の一投を見守った。
肩の荷が下りるかたのにがおりる責任や心配事から解放され、気持ちが楽になる。大きな案件を無事に終え、ようやく肩の荷が下りた。
片棒を担ぐかたぼうをかつぐ他人の計画や行為に協力する。多く、悪いことに加担する場合に使う。知らなかったとはいえ、結果的に詐欺の片棒を担ぐ形になった。
肩身が狭いかたみがせまい周囲に対して引け目を感じ、居心地が悪い。チームで自分だけ成果を出せず、肩身が狭い思いをした。
活を入れるかつをいれる刺激を与えて、元気や気力を取り戻させる。集中力を失っていた選手たちに、監督が活を入れた。
金に糸目を付けないかねにいとめをつけない目的のためなら、費用を惜しまない。重要な研究設備には金に糸目を付けない方針だ。
蚊帳の外かやのそと仲間や話し合いから除外され、関与できない状態。重要な方針が知らない間に決まり、現場の社員は蚊帳の外だった。
癇に障るかんにさわる言動などが気に障り、いらいらさせる。彼の人を見下したような話し方が、どうにも癇に障る。
堪忍袋の緒が切れるかんにんぶくろのおがきれる長く我慢していた怒りが限界に達し、とうとう怒り出す。度重なる無断欠勤に、温厚な上司もついに堪忍袋の緒が切れた。
気が置けないきがおけない遠慮や気遣いをする必要がなく、気楽に付き合える。彼とは学生時代からの付き合いで、何でも話せる気が置けない友人だ。
気が気でないきがきでない心配や不安で落ち着いていられない。子どもから連絡がなく、帰宅するまで気が気でなかった。
機が熟すきがじゅくす物事を行うのにふさわしい時期になる。市場環境が整い、いよいよ海外進出の機が熟した。
気が咎めるきがとがめる自分のしたことに後ろめたさや良心の痛みを感じる。本当の事情を言わないまま帰るのは、少し気が咎めた。
気が引けるきがひける遠慮や引け目を感じ、積極的に行動しにくい。忙しそうな相手にもう一度頼むのは気が引ける。
机上の空論きじょうのくうろん実際の役には立たない、頭の中だけで考えた理論や計画。現場を見ずに作った改善案では、机上の空論になりかねない。
機先を制するきせんをせいする相手が行動を起こす前に、こちらから先に動いて優位に立つ。競合他社の機先を制して、新商品を予定より早く発売した。
狐につままれるきつねにつままれる意外な出来事に出会い、事情が分からずぼんやりする。突然計画が白紙に戻ったと聞き、狐につままれたような気分だった。
木で鼻を括るきではなをくくる無愛想で冷淡な態度を取る。丁寧に質問したのに、木で鼻を括ったような返事しか返ってこなかった。
軌道に乗るきどうにのる仕事や計画などが順調に進むようになる。新事業も三年目に入り、ようやく軌道に乗ってきた。
木に竹を接ぐきにたけをつぐ前後のつながりが不自然で、調和が取れていない。後から別の説明を付け加えたため、木に竹を接いだような文章になった。
着の身着のままきのみきのまま着ている服以外、ほとんど何も持たない状態。火事から逃れるため、住民は着の身着のままで避難した。
踵を返すきびすをかえす向きを変えて、来た方向へ引き返す。忘れ物に気づき、彼は駅前で踵を返した。
肝に銘じるきもにめいじる大切なことを心に深く刻み、忘れないようにする。同じ失敗を繰り返さないよう、今回の教訓を肝に銘じた。
肝を冷やすきもをひやす危険な出来事に遭い、ひどく驚いたり恐れたりする。子どもが道路へ飛び出しそうになり、肝を冷やした。
九死に一生を得るきゅうしにいっしょうをえるほとんど助からないような危険な状態から、かろうじて命が助かる。冬山で遭難したが、二日後に救助されて九死に一生を得た。
灸を据えるきゅうをすえる悪い行いを繰り返さないよう、厳しく懲らしめる。無断欠勤を繰り返す社員に、一度しっかり灸を据える必要がある。
教鞭を執るきょうべんをとる教師として人に教える。大学卒業後、母校で三十年間教鞭を執った。
気を揉むきをもむ心配して、いらいらしたり落ち着かなくなったりする。結果発表が遅れ、家族は一日中気を揉んでいた。
琴線に触れるきんせんにふれる心の奥にある感情を強く動かし、深い感動や共鳴を与える。彼の静かな言葉が、多くの観客の琴線に触れた。
行間を読むぎょうかんをよむ書かれている言葉だけでなく、その背後にある意図や気持ちを読み取る。この手紙は、行間を読めば彼の迷いが伝わってくる。
釘を刺すくぎをさす後で問題が起きないよう、あらかじめ念を押して注意する。約束を他人に話さないよう、彼にはあらかじめ釘を刺しておいた。
管を巻くくだをまく酒に酔って、まとまりのないことや不平をしつこく話す。酔った同僚が店で二時間も管を巻いていた。
口裏を合わせるくちうらをあわせる複数の人が、話す内容が食い違わないよう事前に相談する。発覚を恐れた二人は、説明の口裏を合わせていた。
口が滑るくちがすべるうっかり言ってはいけないことを話してしまう。つい口が滑って、まだ秘密の人事を話してしまった。
口が減らないくちがへらない注意されたり失敗したりしても、負けずに言い返す。これだけ叱られても口が減らないのだから大したものだ。
口車に乗るくちぐるまにのる巧みな話にだまされたり、言いくるめられたりする。うまい儲け話の口車に乗って、契約してしまった。
口八丁手八丁くちはっちょうてはっちょう話すことも実際に行動することも巧みである。彼は口八丁手八丁で、難しい交渉を次々とまとめていった。
口火を切るくちびをきる多くの人の中で最初に発言したり行動したりして、物事を始める。若手社員が口火を切り、次々と改善案が出された。
首が回らないくびがまわらない借金などが増え、金銭的に身動きが取れない。借入金の返済が重なり、会社は首が回らない状態になった。
蜘蛛の子を散らすくものこをちらす大勢の人が、四方へ一斉に逃げ散る。警報が鳴ると、人々は蜘蛛の子を散らすようにその場を離れた。
雲を掴むようくもをつかむよう話や計画などが漠然としていて、手掛かりがない。条件も予算も決まっておらず、雲を掴むような話だった。
ぐうの音も出ないぐうのねもでない完全に言い負かされるなどして、まったく反論できない。正確な数字を突きつけられ、彼はぐうの音も出なかった。
軍門に下るぐんもんにくだる戦いや競争に敗れ、相手に降伏する。長年争ってきた企業も、ついに競合他社の軍門に下った。
煙に巻くけむにまく巧みな話や言い回しで、相手を惑わせて本当のことを分からなくする。記者に核心を尋ねられたが、社長は巧みな答弁で煙に巻いた。
檄を飛ばすげきをとばす自分の主張を広く知らせ、人々に同意や行動を呼びかける。代表者は全国の支持者に檄を飛ばし、運動への参加を呼びかけた。
下駄を預けるげたをあずける物事の処理や判断を、相手に任せる。条件はすべて説明したので、あとは先方に下駄を預けることにした。
下駄を履かせるげたをはかせる実際より数量や評価などを多く見せる。成績に下駄を履かせて合格者を増やすようなことはできない。
後塵を拝するこうじんをはいする他人に先を越され、後れを取る。国内企業は新技術の開発で海外勢の後塵を拝した。
心を鬼にするこころをおににする相手のためを思い、かわいそうだと思う気持ちを抑えて厳しい態度を取る。本人の将来を考え、心を鬼にして再提出を命じた。
心を砕くこころをくだくあることのために、あれこれと気を配ったり苦心したりする。担当者は被災者が安心して暮らせる環境づくりに心を砕いた。
腰巾着こしぎんちゃく権力のある人などにいつも付き従い、機嫌を取る人を軽蔑していう言葉。彼は部長の腰巾着だと陰で言われている。
腰を折るこしをおる話や物事の途中で口を挟み、その流れを妨げる。話の腰を折って悪いが、一点だけ確認させてほしい。
事無きを得ることなきをえる大きな問題や事故にならず、無事に済む。初期段階で異常を発見できたため、幸い事無きを得た。
言葉を濁すことばをにごすはっきり言うのを避け、曖昧な表現をする。退任の理由を尋ねられたが、本人は言葉を濁した。
小耳に挟むこみみにはさむ人の話などを、ふと耳にする。来月組織変更があるらしいと小耳に挟んだ。
業を煮やすごうをにやす物事が思うように進まないことに、いらだって我慢できなくなる。何度催促しても返事がないので、担当者はついに業を煮やした。
御託を並べるごたくをならべるもっともらしい理屈や言い訳を、くどくどと言う。御託を並べていないで、まず自分でやってみなさい。
後手に回るごてにまわる対応が遅れ、相手や事態に先を越される。初動が遅れたため、会社の対応は完全に後手に回った。
胡麻を擂るごまをする相手に気に入られようとして、へつらったり機嫌を取ったりする。出世のために上司へ胡麻を擂るような態度は取りたくない。

さ行の慣用句

語句読み方意味例文
采配を振るさいはいをふる人々を指揮し、全体を取りまとめる。経験豊富な部長が、プロジェクト全体の采配を振った。
逆手に取るさかてにとる不利な条件や相手の攻撃などを、反対に利用して自分に有利にする。知名度の低さを逆手に取り、従来にない大胆な広告を打ち出した。
刺身のつまさしみのつま中心となるものに添えられた、あまり重要でないものや人。せっかく会議に呼ばれたのに、刺身のつまのような扱いだった。
匙を投げるさじをなげるこれ以上努力しても見込みがないとして、あきらめる。何度修理しても同じ故障を繰り返すため、ついに専門業者も匙を投げた。
鯖を読むさばをよむ年齢や数量などを、実際とは違うようにごまかす。少しでも若く見せようと、年齢を三歳ほど鯖を読んでいた。
歯牙にも掛けないしがにもかけない問題にする価値もないとして、まったく相手にしない。彼は周囲の中傷など歯牙にも掛けず、自分の研究を続けた。
敷居が高いしきいがたかい不義理や迷惑をかけたことなどがあり、その人の家や場所へ行きにくい。本来はこの意味だが、現在では「高級・専門的などの理由で近寄りにくい」という意味でも広く使われる。以前大きな迷惑をかけてしまったので、恩師の家はどうにも敷居が高い。
舌の根の乾かぬうちしたのねのかわかぬうちあることを言ってから、ほとんど時間がたたないうち。「二度と遅刻しない」と言った舌の根の乾かぬうちに、また遅刻した。
舌を巻くしたをまく相手の能力や技術などがあまりに優れていて、ひどく感心する。新人とは思えないほど見事な仕事ぶりに、ベテラン社員も舌を巻いた。
鎬を削るしのぎをけずる互いに激しく争い、競い合う。各社が次世代電池の開発をめぐって鎬を削っている。
四の五のしのごのあれこれと理屈や文句を言うこと。四の五の言わず、まず一度やってみよう。
私腹を肥やすしふくをこやす自分の地位や権限を悪用し、不正に自分の利益を増やす。公金を流用して私腹を肥やしていた事実が明らかになった。
斜に構えるしゃにかまえる物事に正面から向き合わず、皮肉・冷笑的な態度を取る。何でも斜に構えるのではなく、まず相手の話を素直に聞いてみよう。
触手を伸ばすしょくしゅをのばす新しい分野や対象にまで活動を広げ、手に入れようとする。国内で成長した企業が、海外市場にも触手を伸ばし始めた。
白羽の矢が立つしらはのやがたつ多くの候補の中から、特定の人が選ばれる。新しい支店の責任者として、若手の彼に白羽の矢が立った。
白を切るしらをきる知っているのに知らないふりをする。証拠を示されても、彼は最後まで知らないと白を切った。
尻馬に乗るしりうまにのる自分でよく考えず、他人の言動や勢いに便乗する。事情も知らずに他人の尻馬に乗って批判するのはやめた方がよい。
尻に火が付くしりにひがつく期限などが迫り、急いで取り掛からなければならない状態になる。締め切りまで三日となり、ようやく彼も尻に火が付いた。
十把一絡げじっぱひとからげ性質や違いを考えず、多くのものをひとまとめにして扱う。経験も能力も違う社員を十把一絡げに評価するべきではない。
重箱の隅をつつくじゅうばこのすみをつつく本質とは関係のない細かな点ばかりを取り上げて問題にする。重箱の隅をつつくような指摘ばかりでは、議論が前に進まない。
垂涎の的すいぜんのまと多くの人が、非常に欲しい、手に入れたいと思うもの。駅前の一等地は、多くの不動産会社にとって垂涎の的となっている。
水泡に帰するすいほうにきするそれまでの努力や苦労が無駄になる。最後の交渉が決裂し、半年間の努力は水泡に帰した。
筋金入りすじがねいり考え方や性質などが徹底しており、簡単には変わらない。彼は学生時代から活動を続けている筋金入りの鉄道ファンだ。
雀の涙すずめのなみだ非常にわずかな量。物価が上がったため、今年の昇給分など雀の涙ほどに感じられる。
砂を噛むようすなをかむよう味気なく、面白みや喜びが感じられない。目標を失ってからは、毎日が砂を噛むように味気なかった。
隅に置けないすみにおけない思っていた以上に能力や知識などがあり、侮れない。普段は無口な彼だが、交渉となるとなかなか隅に置けない。
関の山せきのやまどんなに頑張っても、できるのはその程度までという限界。この人数では、一日に百件処理するのが関の山だ。
切羽詰まるせっぱつまる追い詰められて、どうにもならないほど余裕がなくなる。資金繰りに行き詰まり、切羽詰まった末に銀行へ相談した。
先見の明せんけんのめい将来どうなるかを前もって見抜く力。早くから再生可能エネルギーへ投資した経営者には、先見の明があった。
先鞭をつけるせんべんをつける他に先駆けて物事を始め、後に続く道を開く。同社は業界に先駆けて完全自動化を導入し、その分野に先鞭をつけた。
是が非でもぜがひでもどんな手段を使ってでも。何としてでも。この契約だけは、是が非でも成立させたい。
相好を崩すそうごうをくずすうれしさなどのため、顔いっぱいに笑みを浮かべる。孫の写真を見せられた祖父は、たちまち相好を崩した。
俎上に載せるそじょうにのせるある事柄を、議論・検討・批評などの対象として取り上げる。次回の会議では、組織再編案を正式に俎上に載せる予定だ。
袖の下そでのした人に便宜を図ってもらうため、ひそかに渡す金品。賄賂。担当者に袖の下を渡して契約を有利に進めようとしたことが発覚した。
側杖を食うそばづえをくう自分とは直接関係のない争いや出来事に巻き込まれ、思わぬ被害を受ける。同僚同士の争いに巻き込まれ、関係のない私まで側杖を食った。
算盤を弾くそろばんをはじく利益や損失などを計算し、損得を考える。経営者なら理想だけでなく、きちんと算盤を弾く必要がある。

た行の慣用句

語句読み方意味例文
太鼓判を押すたいこばんをおす間違いないと保証する。専門家が品質に太鼓判を押した製品なら、安心して使えそうだ。
箍が緩むたががゆるむ緊張や規律が緩み、締まりがなくなる。目標を達成した安心感から、チーム全体の箍が緩んでしまった。
高嶺の花たかねのはな憧れてはいても、自分には手が届きそうにないものや人。新入社員だった頃の私には、その高級車はまさに高嶺の花だった。
高を括るたかをくくる大したことはないだろうと軽く見て、油断する。簡単な試験だと高を括っていたら、予想以上に難しかった。
立つ瀬がないたつせがない自分の立場や面目を保つことができない。部下にすべて解決されてしまっては、責任者として立つ瀬がない。
立て板に水たていたにみずよどみなく、すらすらと話す様子。彼は質問に対して立て板に水のように答え続けた。
棚に上げるたなにあげる自分にとって都合の悪いことには触れず、他人だけを責める。自分の失敗を棚に上げて、部下ばかり責めるのは公平ではない。
玉に瑕たまにきずほとんど申し分ないものに、わずかな欠点があること。内容は非常に優れているが、説明が長すぎる点だけが玉に瑕だ。
袂を分かつたもとをわかつ一緒に行動してきた人と別れ、関係を断つ。経営方針をめぐって対立し、二人はついに袂を分かつことになった。
啖呵を切るたんかをきる勢いよく、歯切れのよい言葉で相手に言い放つ。彼は「必ず結果を出す」と啖呵を切って、新しい仕事を引き受けた。
地に落ちるちにおちる名誉・信用・権威などがひどく低下する。度重なる不祥事によって、会社の信用は地に落ちた。
血祭りに上げるちまつりにあげる特定の人などを最初の標的にして、激しく攻撃したり責めたりする。改革案への反対派は、まず責任者を血祭りに上げた。
茶々を入れるちゃちゃをいれる人の話の途中で、からかいや冷やかしの言葉を差し挟む。真面目な説明をしている最中に、横から茶々を入れないでほしい。
帳尻を合わせるちょうじりをあわせる収支や数量などの最終的なつり合いを合わせる。転じて、最後につじつまを合わせる。予定より出費が増えたため、ほかの予算を削って帳尻を合わせた。
長足の進歩ちょうそくのしんぽめざましく大きな進歩を遂げること。この十年で画像認識技術は長足の進歩を遂げた。
辻褄が合うつじつまがあう話の前後や物事の筋道が矛盾せず、きちんと一致する。新しい証言を加えると、事件の経緯の辻褄が合う。
潰しがきくつぶしがきく現在の仕事や立場を失っても、身につけた能力を生かして別の仕事ができる。語学と会計の両方ができれば、転職しても潰しがきく。
爪に火をともすつめにひをともす極端なまでに倹約して暮らす。若い頃は爪に火をともすような生活をして、開業資金を貯めた。
爪の垢を煎じて飲むつめのあかをせんじてのむ優れた人を少しでも見習い、その長所にあやかる。弟にも、彼の爪の垢を煎じて飲ませたいほどの勤勉さだ。
面の皮が厚いつらのかわがあつい恥知らずで、ずうずうしい。あれだけ迷惑をかけておきながら、また金を借りに来るとは面の皮が厚い。
手ぐすねを引くてぐすねをひく十分に準備を整え、機会が来るのを待ち構える。競合各社は新市場への参入を狙い、手ぐすねを引いて待っている。
梃子でも動かないてこでもうごかないどんな手段を使っても、考えや態度を変えようとしない。一度決めた以上は梃子でも動かないというのが、彼の頑固なところだ。
手塩に掛けるてしおにかける自分で細かな世話をしながら、大切に育てる。創業者が手塩に掛けて育てた会社を、息子が引き継いだ。
手玉に取るてだまにとる相手を自分の思いどおりに巧みに操る。経験豊富な交渉人は、若い担当者を完全に手玉に取っていた。
轍を踏むてつをふむ前の人と同じ失敗を繰り返す。前任者の轍を踏まないよう、失敗の原因を詳しく調べた。
手のひらを返すてのひらをかえす態度や考えを急に反対のものへ変える。彼が成功すると、それまで批判していた人たちが手のひらを返して褒め始めた。
手も足も出ないてもあしもでない相手が強すぎたり状況が難しすぎたりして、どうすることもできない。相手チームの圧倒的な守備を前に、こちらは手も足も出なかった。
手を打つてをうつ問題が起こる前や悪化する前に、必要な対策を取る。被害が広がる前に、早急に手を打つ必要がある。
手をこまねくてをこまねく何もせずに、そのまま見ている。問題が深刻になっているのに、手をこまねいている場合ではない。
手を回すてをまわす目的を達成するため、必要なところへあらかじめ働きかけたり手配したりする。担当者は会議の前に関係部署へ手を回し、必要な資料をそろえておいた。
手を焼くてをやく扱いに困り、苦労する。新しい装置の不具合が続き、技術者たちも手を焼いている。
天秤に掛けるてんびんにかける二つのものの価値や損得などを比べる。収入と働きやすさを天秤に掛けて、転職するかどうかを考えた。
出端を挫くでばなをくじく相手が何かを始めようとする最初の勢いをそぐ。開始直後の失点で、チームはすっかり出端を挫かれた。
伝家の宝刀でんかのほうとう普段は使わず、いざというときに用いる最も有力な手段。大幅な値下げは、同社にとって最後に残された伝家の宝刀だ。
通り一遍とおりいっぺん形式だけで、心がこもっていないこと。また、ありきたりで表面的なこと。通り一遍の謝罪では、顧客の理解を得るのは難しい。
薹が立つとうがたつ最もよい時期や盛りを過ぎ、新鮮さや価値が衰える。その企画は発表の機会を逃し、少し薹が立ってしまった。
塗炭の苦しみとたんのくるしみ泥や炭火の中にいるような、非常に激しい苦しみ。長引く戦乱によって、多くの住民が塗炭の苦しみを味わった。
とどめを刺すとどめをさす相手が立ち直れないよう最後の打撃を与える。転じて、物事を決定的にする。主力商品の販売不振が、経営悪化にとどめを刺した。
虎の子とらのこ非常に大切にして、手放さずにいる金品など。彼は虎の子の貯金を取り崩して、店を開いた。
虎の巻とらのまき物事の秘訣を書いた参考書や、頼りになる手引書。先輩から引き継いだこの資料は、新人にとって仕事の虎の巻になっている。
取り付く島もないとりつくしまもない相手の態度が冷たく、話しかけたり頼み込んだりするきっかけさえない。相談しようとしたが、「忙しい」の一言で断られ、取り付く島もなかった。
堂々巡りどうどうめぐり同じことを繰り返すばかりで、少しも進展しない。双方が同じ主張を繰り返し、議論は堂々巡りになった。
度肝を抜くどぎもをぬく非常に驚かせる。新人とは思えない大胆な提案で、出席者の度肝を抜いた。
どこの馬の骨どこのうまのほね素性や身元の分からない人を、軽蔑していう表現。どこの馬の骨とも分からない人物に、重要な仕事を任せるわけにはいかない。
どこ吹く風どこふくかぜ周囲の批判や出来事などを、まるで気にしない様子。周囲が心配しているのに、本人はどこ吹く風といった様子だった。
泥を被るどろをかぶる他人のために、非難や責任、不名誉などを自分で引き受ける。部下を守るため、責任者である彼が自ら泥を被った。

な行の慣用句

語句読み方意味例文
鳴かず飛ばずなかずとばず長い間、目立った活躍や成果がない。デビュー後しばらくは鳴かず飛ばずだったが、三作目で一躍注目を集めた。
流れに棹さすながれにさおさす時代や物事の流れに乗り、その勢いをさらに強める。同社は市場拡大の流れに棹さし、海外進出を一気に加速させた。
泣き寝入りなきねいり不当な扱いや被害を受けても、抗議したり訴えたりせず、仕方なくあきらめる。商品に欠陥があったのに、面倒だからと泣き寝入りする必要はない。
梨の礫なしのつぶて連絡をしても、相手からまったく返事がないこと。何度メールを送っても、先方からは梨の礫だった。
雪崩を打つなだれをうつ大勢の人などが、一時に同じ方向へ激しく動く。試合終了の合図とともに、観客が出口へ雪崩を打った。
何食わぬ顔なにくわぬかお事情を知っていたり何かをしたりしているのに、何も知らないような顔をする。花瓶を割った本人は、何食わぬ顔で席に戻っていた。
涙を呑むなみだをのむ悔しさや悲しさをこらえて、あきらめたり我慢したりする。わずか一点差で決勝進出を逃し、選手たちは涙を呑んだ。
鳴り物入りなりものいり大げさな宣伝や評判とともに、華々しく登場すること。海外で高く評価された新監督が、鳴り物入りでチームに迎えられた。
鳴りを潜めるなりをひそめるそれまで盛んだった活動や動きが、目立たなくなり静まる。一時は頻繁だった迷惑電話も、最近ではすっかり鳴りを潜めた。
成れの果てなれのはて変わり果てた末の、みじめな姿や状態。その廃墟は、かつて繁栄した工場の成れの果てだった。
難癖を付けるなんくせをつけるわざと欠点を探し出して、無理な文句や非難を言う。問題のない商品にまで難癖を付け、値引きを要求してきた。
難色を示すなんしょくをしめす賛成できない、あるいは受け入れにくいという態度を示す。取引先は、納期をさらに短縮する案に難色を示した。
煮え湯を飲まされるにえゆをのまされる信用していた相手に裏切られ、ひどい目に遭わされる。長年信頼していた共同経営者に会社の資金を持ち逃げされ、煮え湯を飲まされた。
苦虫を噛み潰したようにがむしをかみつぶしたよう非常に不愉快そうな、苦々しい表情をしている様子。計画の延期を告げられ、部長は苦虫を噛み潰したような顔をしていた。
錦の御旗にしきのみはた自分の主張や行動を正当化するために掲げる、権威ある名目や大義名分。環境保護を錦の御旗にして、どんな規制でも正当化してよいわけではない。
二足の草鞋を履くにそくのわらじをはく性質の異なる二つの仕事や役割を、一人で同時に務める。会社員と作家という二足の草鞋を履きながら、長年執筆を続けている。
二進も三進もにっちもさっちも行き詰まって、どうにも動きが取れない様子。多く「二進も三進もいかない」の形で使う。資金も人手も足りず、事業は二進も三進もいかなくなった。
煮ても焼いても食えないにてもやいてもくえないずる賢く、どのように扱っても思いどおりにならない。あの交渉相手は駆け引きに長けていて、煮ても焼いても食えない人物だ。
二の足を踏むにのあしをふむ決断したり行動したりすることをためらう。初期費用の高さを知り、新設備の導入に二の足を踏む企業も多い。
二の句が継げないにのくがつげないあまりに驚いたりあきれたりして、次の言葉が出てこない。「資料は全部なくしました」と平然と言われ、二の句が継げなかった。
二の舞を演じるにのまいをえんじる前の人と同じ失敗を繰り返す。前任者の二の舞を演じないよう、事前に問題点を洗い出した。
二番煎じにばんせんじすでにあるものをまねたり繰り返したりしただけで、新鮮味に乏しいもの。前作とほとんど同じ内容では、二番煎じと言われても仕方がない。
ぬるま湯につかるぬるまゆにつかる厳しさのない楽な環境に安住し、向上しようとする意欲を失う。今の立場に安心してぬるま湯につかっていては、成長できない。
濡れ衣を着せるぬれぎぬをきせる実際にはしていない罪や失敗の責任を、他人に負わせる。証拠もないのに彼へ濡れ衣を着せるようなことがあってはならない。
猫も杓子もねこもしゃくしも誰も彼も。多くの人が一様に同じことをする様子。一時期は猫も杓子も同じような商品を発売していた。
猫を被るねこをかぶる本来の性格を隠し、おとなしく無害な人のように振る舞う。初対面では猫を被っていたが、慣れてくるとずいぶん話好きだと分かった。
寝た子を起こすねたこをおこすせっかく収まっている問題を蒸し返し、再び面倒を引き起こす。十年前の争いを今さら持ち出すのは、寝た子を起こすようなものだ。
根掘り葉掘りねほりはほり細かなことまで残らず、しつこく尋ねる様子。初対面の相手に私生活まで根掘り葉掘り聞くのは失礼だ。
寝耳に水ねみみにみずまったく予想していなかった出来事や知らせに、突然驚かされること。支店閉鎖の知らせは、現場の社員にとって寝耳に水だった。
根も葉もないねもはもないまったく根拠がなく、事実に基づいていない。会社が倒産するという話は、根も葉もない噂だった。
音を上げるねをあげる苦しさや困難に耐えられなくなり、弱音を吐いたりあきらめたりする。厳しい訓練にも、彼だけは最後まで音を上げなかった。
年貢の納め時ねんぐのおさめどき逃げ続けたり抵抗したりしてきた人が、ついに観念しなければならない時。決定的な証拠を突きつけられ、彼も年貢の納め時だと観念した。
喉から手が出るのどからてがでるどうしても手に入れたいと強く望む。優秀な技術者は、どの企業にとっても喉から手が出るほど欲しい人材だ。
乗り掛かった船のりかかったふねいったん関わった以上、途中でやめず最後まで続けるしかないこと。乗り掛かった船だから、この仕事は最後まで責任を持ってやり遂げよう。
伸るか反るかのるかそるか成功するか失敗するか分からない状況で、思い切って勝負すること。会社の将来を懸けて、伸るか反るかの新規事業に挑んだ。
暖簾を分けるのれんをわける店で修業した人などに、同じ屋号や信用を受け継がせて独立させる。十年間修業した職人は、師匠から暖簾を分けてもらい、自分の店を開いた。
狼煙を上げるのろしをあげる新しい行動や運動などを始める合図を示す。また、先頭に立って行動を起こす。地方の若手社員たちが、社内改革の狼煙を上げた。

は行の慣用句

語句読み方意味例文
箔が付くはくがつく経歴や肩書などが加わり、値打ちや評判が高まる。海外の有名大学で研究した経歴が加わり、専門家としてさらに箔が付いた。
拍車を掛けるはくしゃをかける物事の進行や勢いを、さらに速めたり強めたりする。原材料価格の上昇が、商品の値上げに拍車を掛けた。
薄氷を踏むはくひょうをふむ非常に危険で、少しの油断も許されない状況に臨む。資金に余裕がないまま事業を続けるのは、薄氷を踏むような経営だ。
発破を掛けるはっぱをかける強く励ましたり刺激したりして、やる気を起こさせる。監督は選手たちに発破を掛け、最後まで攻め続けるよう促した。
八方塞がりはっぽうふさがりどの方向にも解決の道がなく、どうにも動きが取れない状態。資金も人手も足りず、会社は八方塞がりの状態に陥った。
歯止めを掛けるはどめをかける物事がそれ以上進んだり悪化したりしないように抑える。急激な人口減少に歯止めを掛けるため、新たな支援策が導入された。
鼻に掛けるはなにかける自分の能力や地位などを得意になって自慢する。有名大学を卒業したことを鼻に掛けるような態度は好かれない。
鼻に付くはなにつく言動などが嫌味に感じられ、不快になる。自分の成功ばかり語る彼の話し方が、だんだん鼻に付いてきた。
鼻を明かすはなをあかす相手を出し抜いたり予想外の成果を上げたりして、驚かせる。今度こそ競合会社の鼻を明かすような新商品を開発したい。
花を持たせるはなをもたせる相手に名誉や功績を譲り、立ててやる。最後の発表は若手社員に任せ、先輩が花を持たせた。
歯に衣着せぬはにきぬきせぬ遠慮せず、思ったことを率直にはっきり言う。彼女は経営陣に対しても、歯に衣着せぬ意見を述べた。
幅を利かせるはばをきかせる勢力や影響力を持ち、周囲に強い存在感を示す。その地域では、昔から同じ一族が幅を利かせている。
腹に一物はらにいちもつ表面には出さない企みや考えを心の中に持っていること。急に協力を申し出てきたところを見ると、何か腹に一物ありそうだ。
腹に据えかねるはらにすえかねる怒りを抑えきれず、我慢できない。何度注意しても約束を破る態度が腹に据えかね、ついに厳しく叱った。
腹を括るはらをくくる覚悟を決める。ここまで準備した以上、失敗を恐れず挑戦しようと腹を括った。
腹を探るはらをさぐる相手の本心や考えを探ろうとする。交渉の前に、先方がどこまで譲歩するつもりなのか腹を探った。
針の筵はりのむしろその場にいるのが非常につらく、落ち着いていられない状況。自分のミスについて全員の前で説明する会議は、まるで針の筵だった。
反旗を翻すはんきをひるがえすそれまで従っていた相手に背き、反対の立場を取る。方針に不満を持った幹部たちが、ついに社長へ反旗を翻した。
馬脚を現すばきゃくをあらわす隠していた本性や正体、企みなどが露見する。質問を重ねるうちに説明の矛盾が明らかになり、ついに馬脚を現した。
化けの皮が剥がれるばけのかわがはがれる隠していた本性や正体が明らかになる。最初は親切そうだったが、利益が絡むと化けの皮が剥がれた。
ばつが悪いばつがわるいその場に居づらく、気まずい。自信満々に答えた内容が間違っていて、少しばつが悪かった。
引く手あまたひくてあまた多くの人や組織から誘い・申し込み・要求がある。高度な専門技術を持つ彼は、転職市場で引く手あまただ。
筆舌に尽くしがたいひつぜつにつくしがたい文章や言葉では十分に表現できないほど程度が甚だしい。被災地で目にした光景は、筆舌に尽くしがたいものだった。
一泡吹かせるひとあわふかせる相手の不意を突いて驚かせたり、打撃を与えたりする。優勝候補に一泡吹かせようと、選手たちは闘志を燃やした。
一皮むけるひとかわむける経験などによって成長し、以前より一段優れた状態になる。海外勤務を経験して、彼は人間的にも一皮むけたようだ。
一肌脱ぐひとはだぬぐ他人のために力を貸し、助ける。後輩が困っているなら、先輩として一肌脱ごう。
一役買うひとやくかうある仕事や役割を進んで引き受け、物事に貢献する。地域の活性化に、若い移住者たちも一役買っている。
火の車ひのくるま家計や経営などが非常に苦しく、金銭的に困窮している状態。材料費の高騰が続き、小さな工場の経営は火の車だ。
火の粉をかぶるひのこをかぶる他人の争いや問題に巻き込まれて、自分まで被害や迷惑を受ける。部署同士の対立に口を出すと、自分まで火の粉をかぶりかねない。
日の目を見るひのめをみるそれまで埋もれていたものが世間に認められたり、実際に活用されたりする。長年研究されてきた技術が、ようやく製品化されて日の目を見た。
火蓋を切るひぶたをきる戦い・競争・議論などを開始する。A社が新商品を発表し、今年の販売競争の火蓋を切った。
冷や飯を食うひやめしをくう組織などで冷遇され、不遇な扱いを受ける。上司と対立したことで、その後しばらく冷や飯を食うことになった。
風前の灯ふうぜんのともしび危険が迫り、今にも滅びたり消えたりしそうな状態。主力取引先を失い、会社の存続は風前の灯となった。
不覚を取るふかくをとる油断などから思わぬ失敗をしたり、相手に負けたりする。格下の相手だからと油断し、初戦で不覚を取った。
不興を買うふきょうをかう相手の機嫌を損ね、不愉快に思われる。会議中の不用意な発言が、社長の不興を買った。
布石を打つふせきをうつ将来の目的を実現するため、前もって準備や手立てを講じる。海外展開への布石を打つため、まず現地企業と提携した。
筆が滑るふでがすべる文章を書いているうちに、つい余計なことや不適切なことまで書いてしまう。勢いに任せて筆が滑り、必要以上に厳しい表現を書いてしまった。
腑に落ちないふにおちない説明などに納得できず、疑問が残る。数字の根拠が示されておらず、どうにも腑に落ちない。
舟を漕ぐふねをこぐ座ったまま、体を前後に揺らしながら居眠りする。長時間の会議で、後ろの席の社員が舟を漕いでいた。
不問に付すふもんにふす問題や責任について、それ以上追及しないことにする。本人が深く反省していることから、今回は責任を不問に付すことになった。
物議を醸すぶつぎをかもす世間や周囲で、賛否や批判などの議論を引き起こす。その広告表現は不適切ではないかとして、大きな物議を醸した。
へそを曲げるへそをまげる機嫌を損ね、意地を張って素直に応じなくなる。自分だけ誘われなかったことを知り、彼はすっかりへそを曲げた。
蛇の生殺しへびのなまごろし決着をつけず、中途半端な状態のまま長く苦しませる。採用するのか断るのか返事をしないまま待たせるのは、蛇の生殺しだ。
弁慶の泣き所べんけいのなきどころ強い人や優れたものにもある、唯一ともいえる弱点。高性能なこの機械も、電力消費の多さが弁慶の泣き所だ。
臍を噛むほぞをかむ取り返しのつかないことを後になって悔やむ。もっと早く対策を取るべきだったと、問題が深刻化してから臍を噛んだ。
ほとぼりが冷めるほとぼりがさめる事件や騒動の後の関心・怒り・興奮などが収まる。騒動のほとぼりが冷めるまで、しばらく公の場への出演を控えた。
骨抜きにするほねぬきにする計画や制度などから重要な部分を取り除き、実質的な力や意味を失わせる。例外規定を増やした結果、せっかくの改革案が骨抜きにされてしまった。
法螺を吹くほらをふく大げさなことや、でたらめな自慢話をする。酒の席になると、彼は昔の武勇伝について法螺を吹き始める。
棒に振るぼうにふるそれまでの努力や苦労、得られるはずだったものを無駄にする。一時の感情で退職して、十年間のキャリアを棒に振るべきではない。
墓穴を掘るぼけつをほる自分の言動によって、自分自身を不利な立場に追い込む。言い訳を重ねたために矛盾が増え、かえって自分で墓穴を掘った。

ま行の慣用句

語句読み方意味例文
魔が差すまがさす一時的に悪い考えが起こり、普段ならしないような過ちを犯す。ほんの一瞬魔が差し、会社の備品を持ち帰ってしまった。
的を射るまとをいる物事の要点や本質を正確に捉える。彼の指摘は的を射ており、問題の本質を明らかにしていた。
まな板の鯉まないたのこい逃げる手段がなく、相手や成り行きに身を任せるしかない状態。ここまで来たら結果を待つしかなく、今はまな板の鯉の心境だ。
眉に唾をつけるまゆにつばをつけるだまされないよう、話を疑って警戒する。「絶対に儲かる」という話には、眉に唾をつけて聞いた方がよい。
満を持すまんをじす十分に準備を整え、最もよい機会が来るのを待つ。同社は五年間の開発を経て、満を持して新製品を発売した。
見栄を張るみえをはる実際以上によく見せようとして、外見や体裁を取り繕う。見栄を張って高価な車を買ったため、生活が苦しくなった。
見切りをつけるみきりをつけるこれ以上続けても見込みがないと判断し、あきらめたり手を引いたりする。赤字が続く事業に見切りをつけ、撤退を決めた。
水と油みずとあぶら性質や考え方がまったく合わず、調和しないこと。二人は仕事の進め方が正反対で、まるで水と油だ。
水に流すみずにながす過去の争い・失敗・わだかまりなどを、なかったこととして許す。昔のことは水に流して、もう一度協力しよう。
水を差すみずをさす順調な物事や盛り上がった気分を邪魔し、勢いを弱める。盛り上がっているところに水を差すようで悪いが、予算の問題も確認したい。
水を向けるみずをむける相手が話し始めるよう、それとなく話題を振ったり誘いかけたりする。本人の本音を聞き出そうと、それとなく転職について水を向けてみた。
道草を食うみちくさをくう目的地へ向かう途中で、ほかのことをして時間を費やす。転じて、本来の目的から外れる。帰宅途中に本屋へ寄って道草を食い、家に着くのが遅くなった。
見て見ぬふりをするみてみぬふりをする問題などに気づいていながら、気づかなかったように振る舞う。不正を知りながら見て見ぬふりをすることは許されない。
身につまされるみにつまされる他人の不幸や苦労などを、自分のことのように切実に感じる。同年代の失業体験を聞き、自分にも起こり得ることだと身につまされた。
耳にたこができるみみにたこができる同じ話を何度も聞かされて、うんざりするほどである。「確認を忘れるな」と耳にたこができるほど言われてきた。
身も蓋もないみもふたもない言い方があまりに率直・露骨で、情緒や含みがまったくない。「結局は金の問題だ」と言ってしまえば、身も蓋もない。
脈があるみゃくがある成功・成立・恋愛などについて、見込みや可能性がある。先方の反応を見る限り、この商談はまだ脈がありそうだ。
見る影もないみるかげもない以前の立派さや勢いが失われ、ひどく変わり果てている。かつて繁栄した商店街も、今では見る影もない。
身を粉にするみをこにする自分の苦労をいとわず、懸命に働く。家族を支えるため、父は身を粉にして働いた。
虫がいいむしがいい自分の都合ばかりを考えた、身勝手な望みや考えである。自分は何も協力せず利益だけ欲しいというのは、虫がいい話だ。
虫が好かないむしがすかないはっきりした理由はないが、何となく気に入らない。悪い人ではないのだろうが、なぜかあの人は虫が好かない。
虫の居所が悪いむしのいどころがわるい機嫌が悪く、ちょっとしたことにも不愉快になりやすい状態。今日は朝から虫の居所が悪いらしく、何を言っても不機嫌だ。
無駄骨を折るむだぼねをおる努力や苦労をしたのに、結局何の成果も得られない。何度も彼を説得しに出向いたが、結局は無駄骨を折っただけだった。
胸を借りるむねをかりる自分より実力のある相手に挑み、力を試したり学んだりする。優勝候補を相手に、胸を借りるつもりで思い切って戦う。
目が利くめがきく物の価値や良し悪しを正しく見分ける能力がある。彼は古美術に目が利くので、買い付けを任されている。
目が肥えるめがこえる良いものを多く見た結果、物の価値を見分ける力が高まる。一流の作品を数多く見るうちに、自然と絵を見る目が肥えてきた。
目がないめがないあるものが非常に好きで、つい心を引かれてしまう。多く「~に目がない」の形で使う。父は甘い物に目がなく、旅行先でも必ず菓子店に立ち寄る。
目に余るめにあまる行動や状態がひどすぎて、見過ごすことができない。最近の彼の横柄な態度は、さすがに目に余る。
目の上のたんこぶめのうえのたんこぶ自分にとって邪魔で、目障りに感じる存在。何かと意見をする先輩は、彼にとって目の上のたんこぶだった。
目の敵にするめのかたきにする特定の相手を強く敵視し、何かにつけて攻撃したり責めたりする。なぜか彼だけを目の敵にして、細かな失敗まで厳しく責めている。
目を皿のようにするめをさらのようにする目を大きく開き、注意深く一生懸命探したり見たりする。落とした指輪を、家族全員で目を皿のようにして探した。
目を光らせるめをひからせる不正や問題が起きないよう、厳しく注意して見張る。管理者が情報の持ち出しに目を光らせている。
元も子もないもともこもない無理をしたり欲張ったりした結果、元になるものまで失い、結局すべてが無駄になる。無理をして体を壊しては、せっかく仕事を成功させても元も子もない。
もぬけの殻もぬけのから人などがすっかりいなくなり、中身が空になっている状態。警察が踏み込んだとき、事務所はすでにもぬけの殻だった。
諸手を挙げてもろてをあげて心から全面的に賛成・歓迎する様子。条件には多少の問題もあり、諸手を挙げて賛成とは言えない。
門前払いを食うもんぜんばらいをくう訪問や申し出などを、話を聞いてもらえないまま拒絶される。面会を求めて本社を訪れたが、受付で門前払いを食った。

や行の慣用句

語句読み方意味例文
矢面に立つやおもてにたつ批判や攻撃を直接受ける立場に立つ。不祥事の説明会では、担当役員が批判の矢面に立った。
焼きが回るやきがまわる年齢などのために、能力や判断力が衰える。こんな単純な計算を間違えるとは、私も少し焼きが回ったのかもしれない。
矢継ぎ早にやつぎばやに間を置かず、次から次へと続けて行う様子。記者たちは社長に矢継ぎ早に質問を浴びせた。
藪から棒やぶからぼう何の前触れもなく、突然物事を言ったり始めたりする様子。藪から棒に「会社を辞める」と言われ、家族は驚いた。
やぶさかではないやぶさかではないためらうことなく、喜んでする意思がある。条件が整うのであれば、私も協力するにやぶさかではない。
藪蛇になるやぶへびになる余計なことをしたために、かえって自分に災いを招く。昔の問題を蒸し返した結果、新たな責任まで追及されて藪蛇になった。
闇に葬るやみにほうむる事実や事件などを世間に知られないようにし、そのまま消し去る。不都合な資料を闇に葬るようなことがあってはならない。
矢も盾もたまらずやもたてもたまらず強い気持ちを抑えられず、じっとしていられない。合格の知らせを聞き、矢も盾もたまらず両親へ電話した。
槍玉に挙げるやりだまにあげる多くの中から特定の人や事柄を取り上げ、非難や攻撃の対象にする。会議では、売上不振の原因として営業部の方針が槍玉に挙げられた。
雪だるま式にゆきだるましきに数量や規模などが、次々と加わって大きくなっていく様子。利息が重なり、借金は雪だるま式に膨らんでいった。
指をくわえるゆびをくわえる欲しいと思ったり何とかしたいと思ったりしながら、何もできずに見ている。競合他社が市場を広げるのを、指をくわえて見ているわけにはいかない。
欲に目がくらむよくにめがくらむ利益や欲望に心を奪われ、正しい判断ができなくなる。欲に目がくらみ、危険な投資に手を出してしまった。
横車を押すよこぐるまをおす道理に反する要求や考えを、無理に押し通す。自分の都合だけで納期を変えろというのは、横車を押すようなものだ。
横槍を入れるよこやりをいれる他人が進めている話や仕事に、横から口を出して妨げる。契約直前になって別部署が横槍を入れ、交渉が振り出しに戻った。
余念がないよねんがない一つのことに心を集中し、ほかのことを考える余裕がないほど熱心である。選手たちは大会に向けて、毎日の練習に余念がない。
予防線を張るよぼうせんをはる後で不利になったり責任を負ったりしないよう、あらかじめ言葉や行動で備えておく。「成功する保証はない」と最初に言って、彼は予防線を張った。
よりを戻すよりをもどす一度別れたり仲たがいしたりした人と、再び以前の関係に戻る。二人は一度別れたが、半年後によりを戻した。
弱みを握るよわみをにぎる相手が知られたくない弱点や秘密を知り、それを利用できる状態になる。相手の弱みを握って無理な要求を通そうとするのは卑劣だ。

ら行の慣用句

語句読み方意味例文
埒が明かないらちがあかない物事が進展せず、いつまでたっても決着がつかない。同じ主張を繰り返しているだけでは、いつまでたっても埒が明かない。
立錐の余地もないりっすいのよちもない人や物がぎっしり詰まり、錐一本を立てるほどの隙間もない。人気選手の引退試合には、立錐の余地もないほど観客が詰めかけた。
溜飲を下げるりゅういんをさげる胸にたまっていた不平・不満・恨みなどが晴れ、気持ちがすっきりする。長年勝てなかった相手を破り、応援してきたファンも溜飲を下げた。
レッテルを貼るれってるをはる人や物事を一面的に決めつけ、特定の評価や分類を固定する。一度失敗しただけで、能力がないとレッテルを貼るべきではない。
老婆心ながらろうばしんながら余計なお世話かもしれないが、相手を思って忠告するときに使う前置き。老婆心ながら申し上げますが、契約内容はもう一度確認した方がよいと思います。
路頭に迷うろとうにまよう生活の手段や行き場を失い、暮らしていけなくなる。工場が突然閉鎖されれば、多くの従業員が路頭に迷うことになる。
論を俟たないろんをまたない議論するまでもなく、明らかである。安全性を最優先しなければならないことは、論を俟たない。

わ行の慣用句

語句読み方意味例文
我が意を得たりわがいをえたり自分の考えとぴったり一致するものに出会い、「まさにそのとおりだ」と満足する。彼の提案を聞き、社長は我が意を得たりという表情でうなずいた。
若気の至りわかげのいたり若さゆえの未熟さや軽率さからしてしまったこと。あの頃の無謀な行動は、今思えば若気の至りだった。
我が物顔わがものがおまるで自分の物や場所であるかのように、遠慮なく振る舞う様子。観光客が私有地を我が物顔で歩き回り、住民が困っている。
脇が甘いわきがあまい警戒や守りが不十分で、相手につけ込まれる隙がある。技術力は高いが情報管理の脇が甘く、機密情報が流出してしまった。
渡りをつけるわたりをつける相手と連絡を取り、交渉や話し合いができるようにしておく。海外企業との提携に向け、まず現地の担当者に渡りをつけた。
藁にもすがるわらにもすがる追い詰められ、頼りになりそうもないものにまで頼ろうとする。治療法を探していた家族は、藁にもすがる思いで専門医を訪ねた。
割を食うわりをくう周囲の事情や利益の配分などによって、自分が不利な目に遭う。真面目に働いている人ばかりが割を食う制度では、長続きしない。
我に返るわれにかえる興奮・夢中・ぼんやりした状態から、普段の冷静な意識を取り戻す。怒りに任せて言い返しかけたが、途中で我に返って口をつぐんだ。
輪をかけるわをかけるもともとの程度を、さらに一段大きくする。今年の夏は昨年にも輪をかけて暑い。

慣用句・ことわざ・故事成語の違い

慣用句・ことわざ・故事成語は、いずれも決まった形で使われる表現ですが、性格には違いがあります。

  • 慣用句:二つ以上の言葉が結び付き、全体として字面からは分かりにくい特別な意味を表す表現です。「足を洗う」「水を差す」「腹を括る」などがあります。
  • ことわざ:昔から言い伝えられてきた、生活上の知恵・教訓・経験則などを短い言葉で表したものです。
  • 故事成語:中国の古典や歴史上の故事などを由来とする表現です。背景となる物語を知ることで、意味をより深く理解できます。

分類の境界がはっきりしない表現もありますが、この単語帳では、一般的な用法と由来を考慮して分類しています。

意味を間違えやすい慣用句

慣用句の中には、字面から想像した意味と実際の意味が異なるものがあります。

  • 気が置けない:気を許せないという意味ではなく、「遠慮や気遣いをする必要がない」という意味です。
  • 琴線に触れる:怒りを買うことではなく、「心の奥の感情を動かし、感動や共鳴を与える」という意味です。
  • 流れに棹さす:流れに逆らうことではなく、「流れに乗って、その勢いを強める」という意味です。
  • 手をこまねく:準備して待ち構えることではなく、「何もせずに見ている」という意味です。
  • やぶさかではない:気が進まないという意味ではなく、「喜んでする意思がある」という意味です。
  • 檄を飛ばす:本来は単に励ますことではなく、「自分の主張を広く知らせ、賛同や行動を呼びかける」という意味です。

関連する国語学習帳

慣用句とあわせて、四字熟語・三字熟語・ことわざ・故事成語も学習できます。

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